オイルの話 〜信じるか信じないかはあなた次第タクスゼイアン
先日、たまたま某オイルの開発に携わっていたという方(以下Aさん)とお話させていただく機会があったのです。
雑談レベルではありましたが、色々と面白いお話があったので、その辺を今日は記事にしたいと思います。
とはいえ、あくまでもAさんとの雑談で出た話と私の過去の経験の話がメインなので
具体的なデータ出せ&根拠出せおじさんは多分楽しめない内容だから、今すぐブラウザバックプリーズ!
オイルなお話
オイルの交換サイクル
私は以前カー用品店に勤務していたこともあり、3000km交換説を推す人なんです。
この辺は色々考え方があるのはわかってるんですが、実際に3ヶ月もしくは3,000kmで交換しにくる人の廃油を見てるわけですよ。
もうね、すんごい汚いんです。
実際汚れて見えてても問題無いのかもしれませんが、にわかに信じがたいくらい汚い。
以前に乗ってたCB750(空冷だからちょっと違うかもですが)も2,000kmくらいで真っ黒でしたしね。
特にカストロールは汚れやすい、へたりやすいって有名でしたね。
入れてしばらくは良さそうなんですけどねw
カストロール パワー1 4T【10W-40 4L×1缶】 CASTROL POWER1バイク 2輪 部分合成油 4サイクル オイル エンジンオイル | ||||
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今回お会いした元オイルメーカー開発だったAさんが言うには
水冷で1000ccクラスなら6,000kmでも問題無い
とのこと。
気になるだろうけど、例えば4輪の普通車クラスなら、ちゃんとしたオイルで10,000km毎で本当に十分だと。
あとは乗り方、と強調していました。
みんながみんな3,000kmごとに変えてくれたら嬉しいけどね、と笑ってましたw
ではどんな乗り方がオイルの寿命を縮めてしまうのか?と思いますよね?
オイル寿命と乗り方の関係
オイルが汚れるということは洗浄がうまくいっている証拠・・・とは必ずしも言えないんだとか。
綺麗に見えてもへたることはよくあること。
例えばオイルの劣化に直結してしまう理由は以下の通り。
- そもそもオイルの品質が汚れやすい。
- エンジンの常用回転数が低い。
- 暖気が足りない。
- ちょっと乗ってはエンジンオフ(チョイ乗りばかり)
- 中古などでもともとエンジン内が汚い。
- 頻繁なストップアンドゴー
ざっくり言うとこんな感じなんだとか。
常用回転数が低いのもよく無い、というのは初耳でした。
低回転ばかりなのはあまり洗浄効果を発揮できないんだとか。(というよりエンジン内部そのものが汚れやすい?)
品質の劣化
1のオイルの品質が汚れ安いかどうか、というところは安いオイルに多い症状。
カストロールとかAZあたりはこれに該当しそうです。
AZ MEO-012 バイク用 4Tエンジンオイル10W-40 SL/MA2 4L [FULLY SYNTHETIC/全合成/化学合成油] 4サイクルエンジンオイル/4ストオイル | ||||
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まぁAZに限って言えば、レース用だよって名言してますが。
高温時に粘度が下がらないよう、いわゆる増粘剤のようなものが添加剤として添加されているわけですが、中でも安価な増粘剤、ポリマーが変質すると急に変質、劣化、汚れとなってしまうんだそうです。
原因はやはり熱の場合がほとんどで、昔のオイルでよく言われた
”油温120度で即劣化”
という誤解を生む原因になりました。
たまにいますよねこれ言う人w
実際に120度の壁はよほど安いオイルだけ心配すれば良いのだそうです。
純正オイルレベルでそんなヤワなことは無いのでは無いだろうな、と。
私もこれには同感で、そんな120越えた瞬間に即ダメ、なんてありえないだろうとw
HP1で走り回ってたのに0で即戦闘不能とかあなたRPGじゃ無いんだから・・・っていつも思ってましたw
とはいえ、ストップアンドゴーや大渋滞で高温を維持してしまうと、やはりこれは劣化を促進してしまいますので、早めの交換を意識しておくべきでしょう。
4521407134403 ヤマルーブ/プレミアムシンセティックオイル 10w40 4L/全化学合成 新品番90793-32419 旧品番90793-32414から変更 Premium エンジ | ||||
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暖気と一回の走行距離
また、私がバイク屋勤務時代にもよく話題に上がった話でもあるんですが、やはりチョイ乗りはよく無いと。
特に冬においては、冷間始動によりエンジン内は結露します。
そして僅かでもオイルを乳化させてしまうんですよね。
乳化が沈殿した廃油が出てくるカブ、よくいましたからね。
で、この乳化したオイル、しばらく走れば水分が飛び、乳化が緩和するんです。
しかしAさんも言ってましたが、20分以上は乗らないと乳化が残ってしまいます。
この乳化が蓄積してしまうのがチョイ乗り。
乳化すると油膜は保持できず、エンジンを痛めてしまう原因にもなります。
また、高性能なオイル添加剤であるエステルは水と結合して変質してしまいやすい性質があります。
つまり、エステル系のオイルがレース用途などと言われる所以はここにあるんです。
結露繰り返して添加剤としての旨味が消えちゃうんですね。
通勤用ならロングライフオイルを選びたい
よくあるエステル系はもうレース用途として、一発走ったら交換するようなレベルで見て良いと思います。
暖気運転に関してはやはりこの”結露”を最小限に抑えたい、ということもあります。
燃費も気にはなりますが、そこはやはりしっかりと暖気をしてあげることがエンジンへの労わりになります。
安いオイルは頻繁に変えるべき、純正オイルは比較的ロングライフ、という先人たちの発言は、無いことは無い、というお話でした。
純正信者の誤解
たま〜に純正オイル以外は品質が担保されない!他のオイルは全部ダメ!
という論調の方をお見かけします。
これは大きな誤解です。
そんなわけ無いだろうwwwwと普通なら思うんですが、妄信は侮る事なかれ。
特にバイクオイル系の記事検索すると結構いるんですよこういう人。
しかし思い出して欲しいのです。
誤解だと言い切れる根拠として
JASOなどの規格があるわけですよ。
極端な事ばっか言って悦に浸る習性はわざわざ注意したりしませんが、バイク用品店などで普通に市販されているものであれば、好きなオイル使ったらいいと思いますよ。
私なんて今はレッドバロンさんの部分合成のオイルリザーブですからw
その代わり1,500kmでも3ヶ月したら変えてますけどね。
まとめ
ちゃんと規格通ってるオイルなら6,000km交換で全然何も問題無いよ、という事と
100%合成油は基本的に120度程度は想定内、何てことないよ、という事が聞けたのはだいぶ心強かった、というか、やっぱりな、っていう気持ちです。
今はGSX-S1000にオイルリザーブ使ってますが、使い切ったらそこそこいいオイルを常用してやりたいと思います。
とはいえ、愛車を思う気持ちはプライスレス。
オイルを変えすぎて壊れた、なんて話は聞いた事が無いので、たくさん注ぎたい愛情なら遠慮なく注いでやりましょうw
では!